天体観測室の自作

ドーム製作記・天体観測室(3.15mドーム)の自作


2階建て(4坪)の鉄骨造観測所を自作。1983年秋完成。
1階は準備室、暗室。2階の直径3.15m自作ドーム(両開きスリット)内に26cm反射赤道儀(旭精光製)を設置。
その記録です。


はじめに

今から20数年まえのことです。 ピアノ修理会社に就職し、仕事も順調になってきて、月面観測用の大きな望遠鏡を手に入れようと考えていました。
当初口径26cmで経緯台自作を考えていて有名なK氏とかN氏にミラーを頼めたらなどと漠然と思っていたところ、そういえば近くに旭精光があることを思い出し工場に行ってみました。それで話を聞いているとN氏の鏡面とおなじ予算ならアスコ26cm経緯台がそっくり買えるということになり注文することにしたのです。(鏡は梶浦鏡になります)

26cm反射経緯台の打ち合わせなどでなんどかアスコへ遊びにいっているときに尾崎社長から区画整理で工場を移転するから雨漏りする古いドームをあげようかとお言葉があってありがたくいただくことにしました。ただし分解や廃材の処分などはこちら持ちという条件でしたが。

工場横の2階建ての使われなくなった観測室は以前から倉庫になっていて、荒れ果てていたドームを何とかバラして借りたトラックに積んで自宅に持って帰りました。骨格だけです。トタンで出来たシェルや巻き取りシャッターを利用したスリットはすでに使い物になりませんでした。この分解作業では当時属していた豊明天文研究会の仲間が大勢手伝ってくれたのでとても助かりました。一人ではとてもできません。もって帰ったはいいがどうしようか。ドームの骨はしばらくそのままになります。

RoS 月面観測用の26cm経緯台の設置ですが望遠鏡は大きく重いので観測のたびに家から出していたのではやってられません。
はじめは庭先に木枠にビニールシートを掛けただけ、次に簡易的なランオブシェッドの格納庫を造りました。最小限の大きさですが望遠鏡を中心に両側に開きます。
ランオブシェッド(Run of Shed)その名のとうりレールの上を「動いて開く小屋」です。
これは小屋を開けて望遠鏡が現れたところ。望遠鏡は格納姿勢ですので観測時には月の高さによっては脚立が必要になります。
観測中にはレールや3本の張り出したピラー脚が結構じゃまでつまずいたりします。
オープン

しばらくこうして使っていましたがなんとしても観測効率が悪い。南側隣家が接近していて視界が狭くシーイングも悪かったので地面からある程度高い場所に設置したくなりました。地上から高いところに設置するならばと架台の赤道儀化、2階建て観測室を建てることに決定したのです。建物の構造はドーム重量を支えるため鉄骨造としました。

ちょうどアスコから新しい設計の赤道儀を発売するとのことでしたのでこの際と思って注文することにしました。ただし長焦点での眼視観測に適するよう私のアイデアでいろいろで特注したので値段は高くなりましたが。赤道儀本体とガイド鏡、双眼装置など付属品、特注費用などで当時115万円。

と言うわけで計画がスタートしたのです。1982年夏、Tunerが24才の時でした。

  1. 設計
  2. ドーム骨の錆落としと仮組立
  3. 基礎の施工と建方
  4. ドームを作る
  5. 木工事
  6. 望遠鏡の搬入とセット



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(社)日本ピアノ調律師協会会員
ピアノ調律師 片桐  健